やっとズボンの形が出来上がり、上と下の両端をまとめれば完成のところまで来ました。
後は両方の裾を三つ折りにして始末し、ウエストゴム通し部分を作成します。
三つ折りの作業はよく行う作業、実はちょっとした仕立てのコツがあるのでそちらを紹介。
ウエストゴム始末の方法は、ゴム交換ができる仕立てで説明している事が一般に多いです。
しかし私はゴム交換は不要と考えてます。
何故ならゴムが伸び切る前に、履き口になる一番上のヘリが擦り切れ駄目になるケースが多いから。同じデザインをず〜っと20年ぐらい繰り返し作って着ている(どんなに少なく見積もっても年の1/3、夏の定番スタイル)ので、経験値から言い切れます。
ウエストゴム部分は、そんなに丁寧に時間かけて作る必要はないと思います。サクッと作って普段に使って楽しみましょう。
__________
用意するもの
股上が縫い上がったゴムパンツ
ミシンとミシン糸
アイロンとアイロン台と霧吹き
幅15mmの平ゴム(長さウエスト分)・ゴム通し
待ち針・糸切りバサミ

まずは裾をアイロンで三つ折りし、ミシンがけします(サンプル型紙では5cmが縫い代幅)。
例えば出来上がり2.5cm幅で三つ折りしたい時、皆さんはどのように折ってるでしょうか?
2.5cmに折り曲げ、もう一回2.5cm折る?
実はそのように折り曲げていくと、微妙に幅が揃わなかったりします。実際作ると分かりますが、2.5cm×2で縫い代5cmにならず、5.2cmぐらいになり折り曲げ過ぎたり、いろいろ歪みがちです。
私は5cmに全体を一度折り曲げ、アイロンで固定。次にその幅を半分に折り入れ込み曲げる形で、三つ折りにします。
こうするとうっかり、着丈を短くなるように折ってしまうことは無いです。
三つ折りは最初に出来上がり寸に折り曲げ、その縫い代を半分にする、という形でアイロンをかける。
こうすると綺麗に縫い代の折り曲げが出来ます。ズボンの脇の縫割の縫い代は、後身頃の方に倒してくださいね。

最初に縫い上がりの折り曲げをする時、この写真では定規を差し込んでますが真上にアイロンはかけられません(プラスチックだから溶ける)。ですからボール紙などで5cm幅ゲージを作って、差し込んでアイロンをかけると楽です。
面倒でもこういった小道具を簡単に作って当てて作業するのが、実際は時短につながります。

縫い代ヘリを間に入れ込む形で三つ折りにし、アイロンで押さえて形作りました。
この三つ折りをした端のキワ1〜2mmのところを、ミシンステッチします(裾の端から2.3cmぐらいのところにステッチが入ることになります)。
これで裾の始末(裾三つ折り縫い)は終了。
次はウエストのゴム通し部分を作成します。
こちらは最初、1cm幅に二つ折りしてアイロンがけします。
次に2.5cm幅にもう一度折り、アイロンがけしてゴムの通る幅を作ります(縫い代はどちらに倒してもOKです).

折返しの端1〜2mmのところにミシンをかけます。厚みの出る縫い割りの所がずれやすいので、ここから返し針をしてスタートします。

ぐるっと一回りミシンをかけ、スタート場所から2〜3cm手前で縫いを終え、返し針をします。

ここから1.5cm幅のゴムを通します。

そして、一度履いてみます。

着用時ちょうどよいゴムの締め付け具合を確認、ゴムの長さを決めるピンを打ちます(安全ピンでもいいです)。
脱いでゴムを一度引き出し、重ね分を2cmにして余分なゴムをカットします。

まずこのゴムを縫い止めるミシンがけをします。

二箇所ミシン返し針をして止めます。
ウエストのゴム通しの中に入れ込んで、通し口の開いている部分を縫って塞ぎます。

ウエストの部分が出来上がりましたが、洗濯を何度かすると中でゴムがくるくる回ってねじれてきます。
ねじれ防止の為、ゴムを縫い止めます。

ゴムの部分を縦にミシン縫いをして縫い止めますが、均一にギャザーが入るようにします。
先ずは前後の縫い割りの所をあわせてピン打ちし、両脇の半分になる所を決めます。
ここにピンを打って4箇所の縫い止め場所を決定します。
この4箇所のゴムの部分を、縦に1.5cm程ミシン返し針をして縫い止めてしまいます。
この縫い止めミシンはギャザーで隠れてしまいますので、さほど気になりません。

完成しました!
型紙のコピー作業の時間を入れても、布が用意されていて縫い物が出来る方でしたら3.5時間〜4時間で一着完成します(布地地直しの時間は別に見積もってください)。
初心者の方でしたら、×2〜3の時間を時間を見積もれば完成すると思います。
一番最初に縫うことを練習するのに、最適なデザインだと思います。
同じデザインで2〜3回作ると、学んだことが定着するので良いです。
最初は縫いやすい綿又は綿麻の無地の布で一着作り、二着目はリネンなどの少し値段がする布地で作ってみると良いと思います。