2010年に個展特別企画でコラボ制作をさせていただいてから、少し記念品の発注などいただいてやり取りをしていたものの、特に一緒に何かを作ろうという感じでは無かったのです(基本子育てに埋没)。
が、ある時、メールが。
善林さん、合切袋をお願いできませんか?
と。何でも呉服業界に良くある感じじゃないものを、お客様はお望みらしい。
聞けば普段から抽象画をお描きになり、吉田さんの独立時からの支持者で、凄い沢山の貴重な布のコレクターだとか。。
これは相当な趣味人と推察。私に役が務まるだろうか。
とは思うものの、仕事としてはかなり面白そう。こういうときは、先ず二つ返事で引き受けるんですよね~
お題は「アーシル・ゴーキー」。
こういうのが、いいんですよね。 ゴーキー はアルメニア人の画家。ミロと同時代だったからか、わりと比較されるがミロほど有名じゃない。確か、実力の割にはかなり不遇の人生を送った人。
芸大時代油彩で抽象画を描いていた私、教授に「ゴーキーっぽい」と言われたこともあって、大阪まで現物見に行ったこともあり。妙に、赤が印象的の絵だった記憶。繊細だが、向こうに消えていくような絵ではない。今見ると古臭く見えるロシアアバンギャルドと一線を画する感じ。
このお題を出されますか~~!!
と思った。なるほど、今時でいう「尖った感じ」ですね。
と勝手に解釈し、作成。帽子と基本考え方が一緒で、シーチングでプロトタイプを作り、作成してお納め。やり取りの間に吉田さんが入ってくださり、職人に徹することができたので、幸福な制作でした。
顛末は染織吉田さんの注文制作ONLYONLYのわださま、のところに詳しくあるので興味が有る方は見ていただけたらと。まぁいろいろあったものの、お客様のおめがねにも叶った様で、ホッとしたのでした。
